2019年6月12日。明け方4時頃、ミャアミャアと大きな声が聞こえた。
どうせ野良猫だろうと、しばらくの間ほうっておいたが、あまりの鳴き声に眠い目をこすりながら一階に下り、庭を覗き込んだ。
そこにはまだとても一人では生きていけそうもない仔猫がいた。
思わず捕まえようとした私っだったが、仔猫ながらにすばしっこく捕まえるのに苦労した。一先ず捕まえたのはいいもののどうすればいいのか!?
この時はまだ自分が猫を飼うとは想像もしていなかった。
夜はまだ明けていない。とりあえず家の中に入れて水を飲ませてみた。
(ぺろぺろ)と恐る恐る飲む姿が今でも印象的だ。
幸いにも私たち夫婦は自宅で美容室をしている。猫の健康が心配でその日のうちに近所の動物病院に連れて行き、仔猫の健康を診てもらった。
特に異状もなく、どうやら捨てられて間もなく私が拾ったようだ。
その日は美容室のお客さんに仔猫を引き取ってほしいとお願いもした。
しかし、1日、2日と経つうちに愛情が湧いてきて3日目には(猫と暮らす)のを覚悟していた。
しかしながら、私達夫婦は猫を飼った経験もなく、何をしたらいいのか?ご飯はどうしたらいいのか?トイレは?
何もかも分からなかった。
手探りのまま日にちだけが経ち、始めは大人しかった仔猫も1週間もすれば環境にも私達にもなれはじめ、この時(つむぎ)と名前をつけた。
それからというもの、つむぎは私達と同じ時間に出勤し終わるまで仕事場にいる。休日には三人で車で旅行を楽しむ。
もちろん、つむぎがいるので旅先ではいつも車中泊だ。
私達が慣らしたのか、それともつむぎに順応性があるのか分からないが、今では子供のようにどこへでも(つむぎと一緒)の生活を送っている。